今回ご紹介するのは、ブリティッシュ・ライトウェイト・スポーツの代名詞MG・TAです。
1937年式ですから戦前の個体であることは言うまでもありません。
MG・TAは3年間で3,003製造され、大凡1,000が今でも大切され存在していると言われています。
製造されてから今年で87年ですから幾多の修羅場を乗り越えてきた事は尊敬に値します。個体自身も引き継いで来られた方一人ひとりに心から感謝申し上げたいです。
私自身が戦前の車を4台乗り継ぎましたが、この頃の車は機械との一体感が有り、自分の感情がより濃く伝わる体験をなん度もしました。
それだけにただ乗る・・・と言うのではなく、相棒として友として人馬一体になって、五感を張り巡らせて彼の調子を感じながら走らせるという事が必要です。
最初はわかりませんが、段々と音や匂いや振動が分かるようになってくるから不思議です。
そんなの面倒で無理という方は、戦前には乗らない方が良いです。
今回取材したこの個体は、オーナー自らが輸入し、メンテナンスを重ね。改良改善をしてきた個体ですから、飾り物として置いてあった個体に比べ、ずっと安心して乗れる個体です。
改良点は多岐にわたる為、書き切れませんので、本気の方は実物をご覧になってオーナーより直接説明を受けることをお勧めいたします。
エクステリア
EXTERIOR
KG/TA basic model
オーナー様自らが5年ほど前にオランダより輸入されました。
前オーナーの時にフレームオフして木骨が交換されています。
現オーナーによって、ホイール、スピンドル、幌を新品に交換済みです。
幾つかの改造点をご紹介いたします。
ステアリングを軽くするためにビショップカムからラックアンドピニオンへと変え、都会を走るにも軽くなりました。
ラジエターは従来のモノからアルミ製へと変え、水温は90度以上上がらなくなりました。電装関係も引直をして、ヒューズがどこに機能しているかも把握できるようになっています。その他にも多数の改造改善がはかられておりますので、ご見学の際にご説明いたします。
個体本体を合わせ、実に1000万を超える費用を投じたMG/TAです。
今回は次へと乗換えをされるために大切にしてくださる方へとお譲りしたいと言う事で掲載に至っております。
インテリア
INTERIOR
ブリティッシュグリーンの車体にタンカラーのシート、ウッドインパネが素敵です。
画像にはございませんが、幌も新品のタンカラーに張り替えられており、サイドウィンドウも綺麗な状態です。
エンジン
MECHANISM
車両諸元
DETA
全長 :3550mm |
全幅 :1400mm |
全高 :1350mm |
車両車重 :810kg |
総排気量 :1290cc |
乗車定員 :2名 |
最大出力 :ps/rpm |
最大トルク :kgm/rpm |
車名 :MG |
車検 :令和7年12月 |
車体番号 :133*** |
走行距離 :km |
取材後記
memo
今回はMG・TAの取材です。
私自身が戦前の車が好きで何台も乗り継いでおります。
MGについては、J2・TC・Cと乗り継ぎましたが、どれも人生を共に歩んだ相棒です。MGは比較的にパーツ供給が可能です。流石に英国車はお国柄で古いものを大切に直しながら維持する文化がしっかり根付いております。本当に素晴らしい、これが本当のエコです。
さて、今回の個体はオーナーの拘りが染み込んでいて・・これは乗りやすいだろうな・・・と言う感想を持ちました。本当に車好きのオーナーが時間を忘れてガレージにこもって、手を真っ黒にしてた事が目に浮かぶようです。
こうした個体を次に引き継ぐ方は本当にラッキーです。ここまでにするのには、相当多くの時間とお金が注ぎ込まれたはずです。
見た目だけ小綺麗にしているのではなく、実際にオーナーが愛情を込めて改造改善を繰り返しては、乗って楽しんできた個体は本当に生き生きしています。
あくまでも勘ですが、エンジン音を聞くだけで伝わってきました。
この子で街をぶらついたり、ツーリングに出かけたり、イベントに参加する日々を想像してみてください。これからの人生が白黒から鮮明なカラーへと変わりませんか・・・・
お安くご紹介しております。
是非、ご検討くださいませ。
1937年 ブリティッシュ・ライトウェイト・スポーツ
現代の車と比べる必要は全くないが・・・
快適さや便利な機能は無い
聞こえるのはメカニカルノイズ・・・普段は聞こえない自然の音
オイルの焼けたにおい・・・木々から感じる自然の香り
いつもと同じ道を通っても、この車から眺める景色は新鮮だ
販売価格(自動車税・リサイクル預託金別途)
5,390,000円
陸送に関しましても、お気軽にご相談下さいませ。