今回ご紹介する車は知る人ぞ知る名車74カレラ。
みんなの憧れ、ポルシェ911 73カレラRSと言えば生産台数1580台に対して、74カレラは生産台数が1036台と更に少ない。
因みにシャーシ番号は9114600001〜9114601036の1036台。
1973年と言えば第一次オイルショックによる影響でポルシェ社の生産台数は25%落込んだ。世界は燃料の高騰により燃費重視へと嗜好が変化すると共に自動車への安全性能も求められるようになった。特に北米市場への輸出は厳しく、ポルシェはモデルチェンジを余儀なくされる。
衝突安全性の確保の為の衝突吸収バンパー、排出ガス規制をクリアする為にKジェトロの導入などがなされた。
74カレラには大きく2種類あり、USモデルの74カレラにはSと同様のエンジンが与えられ、ヨーロッパ仕様のカレラには73カレラRSのエンジンが引き継がれ機械式燃料噴射システムが継承された。73カレラ時代に成し遂げる事が出来なかったモータースポーツでの成果は74カレラ世代ではらす意図もあったようだ。
74カレラのヨーロッパ仕様は73カレラRSと同一の210bhpを発生した。
73カレラの特徴であるダックテールスポーラーもオプションとして用意されたが、本国では安全性により装着は違法とされた。
USモデル導入のアメリカではパワー不足による物足りなさを語られたが、ヨーロッパではその性能の高さは評価された。
今回ご紹介するのは、ヨーロッパ本国仕様である。市場に出回ることも少なくコレクターズアイテムとなった為、非常に希少なモデルである。
この個体のもう一つの特徴としては、ノーマルモデルに比べ、ボアアップ、ハイポンプ等によるパワーアップで高められ、伴う足回りの強化と軽量化によるRSに近づける仕様になっている。とは言え、派手な改造というのではなく、普段の街乗りや峠でも乗りやすく、更に踏めばサーキットでの実力も十二分に発揮できるように仕上げられている。
現オーナーは、20年前に購入し適切な整備をし、普段からスッと出して走らせる事ができる状態にキープしている。一年で1万キロ程度の走行履歴です。
希少な車だけに飾るだけにしているコレクターも多い中、現オーナーは車両の状態を良好にキープする事に気を配って今日まで所有してきました。
私もこの個体に同乗させて頂きましたが、実にスムースなエンジンの吹け上がり、ミッションの入りの良さ、車体剛性の良さ、足回りのセッティングが決まり、ベストなバランスが取れた理想的な個体でした。きっとこの子はとても喜んでイキイキしていると感じました。
やっぱり大切にされてきた個体は、そんなオーラを持っています。シートなどノーマルからの変更点はございますが、このままでも良し、ノーマルに戻していくのも良し、ベースがしっかりしている個体ですから次のオーナーも楽しんでいただけるでしょう。
20年間もの間、大切にお持ちででしたので今後も大切にしてくださる方に譲りたいという事でご依頼をいただきました。
希少且つ、価値ある一台です。探していた方はお早めに・・・
今回ご紹介の個体は、非常に希少かつ高額であるため、身元証明等のご提示は従来通り頂きますが、オーナー様との検討の上で、お問合せ頂いた方へのご案内をさせて頂けない場合もございますので、何卒ご理解の程お願い申し上げます。